製品・技術
水素ステーション用のTYPE Ⅰ鋼製蓄圧器に、新日鐵住金(株)和歌山製鐵所製のSML鋼管を採用
2017.02.16
日本製鋼所は、従来より燃料電池車(FCV)に水素を供給する水素ステーション用の高容量鋼製蓄圧器として高強度鋼を選定、高耐久化加工技術を確立した300LTYPE Ⅰ 蓄圧器(TYPE Iとは容器全部が金属構造であることを指す。)を商用化しています。このたび、素材に新日鐵住金のSML鋼管を採用することで従来製品の特長を維持したまま大幅なコストダウンを実現可能とするTYPE Ⅰ鋼製蓄圧器を開発しました。
本製品は、日本製鋼所の水素ステーション用蓄圧器製造技術と新日鐵住金のSML鋼管製造技術のコラボレーションにより、実現したものです。
特長としては、蓄圧器に必要な強度と粘り強さを満足する焼入れ性に優れた新日鐵住金の材料と、日本製鋼所の高耐久化加工技術の組み合わせにより、高圧水素下において繰り返し使用回数10万回以上を達成。今後も各種データの蓄積により繰り返し使用回数の延長を予定しており、長期間の使用ライフサイクルコストに寄与します。
開発した蓄圧器は鋼製であることから、運転中であっても外面からの超音波探傷検査にて、蓋を開けることなく内部全面に異常が無いかを高精度で確認することが可能です。また、高圧水素ガス中における材料の各種評価試験と、水素による影響を考慮した設計を行っており、高い安全性と信頼性を確保することができます。
また日本製鋼所で新たに開発した圧縮機と蓄圧器を組み合わせた小型パッケージの高圧水素部位の配管や溶接継手類には、新日鐵住金製の高圧水素用ステンレス鋼HRX19Ⓡを採用しております。
鉄鋼関連の2社で材料供給~ステーション機器製造まで一貫した連携を実施することで更なる開発につなげていくことで、水素社会到来に向けて貢献します。
なお、2017年3月1日~3日のFC EXPO2017においては、両社のブースで水素ステーション蓄圧器の実物サンプルを展示する予定となっております。
お問い合わせ先:株式会社日本製鋼所 鉄鋼事業部 鋳鍛鋼営業部 機器グループ 03-5745-2059
お問い合わせ先:新日鐵住金株式会社 総務部広報センター 03-6867-2977