マグネシウムの安全な取り扱い

マグネシウムは基本的な物理的特性と性質を十分理解すれば、安全に取り扱うことができます。
このページではマグネシウムの安全な取り扱いについてご紹介します。

一般的な性質

  • マグネシウムは大気中の炭酸ガスや亜硫酸ガス、湿気と反応し、酸化物、硫化物、水酸化物の皮膜を生じます。
  • 溶融マグネシウムは大気中の酸素と反応すると、閃光を発しながらゆるやかに燃焼し、白色の酸化マグネシウム(MgO)を形成します。
  • 溶融マグネシウムは大気中の窒素とも反応し、茶褐色の窒化マグネシウム(Mg3N2)を形成します。
    窒化マグネシウムは水と激しく反応し、高熱を発生します。
  • 燃焼中のマグネシウムに適度な水が触れると、水を分解し、水素と酸素が発生し爆発を起こしたり、マグネシウムの燃焼を加速させます。
  • 適度の水を含む切り屑や微粉は裸火により容易に着火し、水を分解して水素と酸素を発生し激しく燃焼します。
  • 加熱された酸化鉄(鉄鍋から発生した酸化スケールなど)に溶湯が触れると激しく反応します。(テルミット反応)
  • マグネシウムは常温の水とは反応しませんが、高温水や塩化物イオンを含む水溶液中では水と反応し、水素ガスを発生しながら水酸化マグネシウムMg(OH)2を形成します。

取り扱い時の注意事項

  • 材料、スクラップ、製品の保管
  • ある程度の体積をもっている場合、自然に発火することなく、容易に燃焼することはありません。
    融点以上に加熱される環境さえなければほとんど危険性はありません。

  • プレス加工、機械加工、研磨加工
  • 加工によって生じた細かい微粉末、切粉、研磨粉やバリなどの取り扱いには注意が必要です。
    仕上加工場の清掃を徹底してください。
    仕上加工場の清掃には、家庭用掃除機は使用しないでください。
    火花の出ない工具を使用してください。
    電動工具は使用しないでください。
    静電気などが発生しないようにしてください。
    微粉末やバリなどは裸火で容易に着火することができるため、火災が発生する可能性があります。
    研磨加工する場合は必ず湿式集塵機を設置し、定期的なメンテナンスを行ってください。
    湿式集塵機で収集した微粉は、溜めないように取り出し、化学処理などの処理を行ってください。

  • 消火方法
  • 金属火災用消火剤、乾燥砂、フラックス、黒鉛粉、ダライ粉(鉄系金属の切削粉)などで覆い消火します。
    消火にあたっては、水、炭酸ガス、ABC消火器、泡消火器などを使用することは厳禁です。

Contact

日本製鋼所へのお問い合わせはこちら

お問い合わせ