当社グループは、「JSWグループ・リスク管理規程」を策定し、さまざまな活動におけるリスクの存在を認識し、関連部門間で十分にコミュニケーションを行い、適切かつ効率的なリスク管理を実践しています。

 

非常事態発生時の対応

当社グループは、企業行動基準に反するような事態が発生し、社会に重要な影響を及ぼしかねない場合には、経営トップ自らが問題解決にあたり、原因究明、再発防止に努めるとともに、社会への迅速かつ的確な情報公開と説明責任を遂行することとしています。
重大な事故・災害、各種リスクの発生により当社グループが重大な損失を被る場合、または当社グループの事業活動により社会に重要な影響を及ぼしかねない場合には、危機管理担当責任者(CRO)を本部長とする危機管理対策本部を設置し対応します。

リスク情報

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1. 事業の特徴

 設備投資関連事業が中心の当社グループの事業は、国内外の景気動向に左右されます。また製品の納期も長いことから調達価格や為替の変動等による収益性の低下や追加費用の発生によって受注時の見積もりコストが増加する可能性があります。
 当社グループでは、グローバルでの経済状況を注意深く見守り業績に直結する受注については、月次の部門業績報告会議において現状を踏まえた予測を討議し、状況に応じて経営資源の流動化等の迅速な対応を行っております。また、製品のライフサイクルを注視して中長期的に製品・事業ポートフォリオを意識した経営に努めております。

2. 設備の減損に係るリスク

 当社グループは、既存事業の競争力強化ならびに新規事業や新規製品の取り込みのため、設備投資を行っています。固定資産の減損に係る会計基準に従い、同資産の貸借対照表計上額について、将来キャッシュ・フローにより回収することができるかを、定期的に検証しています。充分なキャッシュ・フローが見込めない場合は、当社グループの業績及び財政状況は影響を受ける可能性があります。
 当社グループの設備投資計画に対し、取締役会において投資計画の妥当性の審議を行い決定しております。また、重要な投資に関しては、月次部門業績報告会議にて投資後の業績が計画を大きく乖離していないかを確認し、必要に応じて関係部門は対策を検討・実行しております。

3. 原材料・部品等の調達

 当社グループの原材料・部品等の調達は為替・市況・エネルギー価格の変動に影響を受けます。これら原材料・部品等の品質上の問題、供給不足、納入遅延及び災害に伴う生産停止等の発生、及び市況の急激な変動による原材料・部品等の調達価格の高騰も当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 当社グループは原材料・部品等の市況変動に柔軟に対応するように調達品の複数購買の更なる推進、代替調達品の検討と選定を適宜実施して当社グループの業績及び財政状況に与える影響を軽減する対応をしております。

4. 品質管理・製造物責任

 当社グループは、主にメーカーとして製品を個別受注し製造・販売しているため、製品の性能不良や欠陥等の契約不適合に起因する損害賠償等の負担により業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、品質管理部門が主導し設計・調達・製造における品質管理体制を充実させております。毎月、各製作所では不良の発生と対策状況を審議し、その結果を月次部門業績報告会議にて報告することで管理の充実に努めております。そのほか、製造物責任に起因する損害賠償については、製造物賠償責任保険及び企業包括賠償責任保険に加入して付保内容を毎年見直し、当社グループの業績及び財政状況に与える影響を軽減する対応をしております。

5. 為替レートの変動リスク

 当社グループの製品は、輸出比率が毎年50%程度で推移しており、製品の受注から売上までの期間は比較的長期間を要するほか、原材料の輸入等海外調達の一部において外貨建取引を行っております。従って、当社グループの業績は、受注から売上までの間の為替動向により、受注時点の予想に比べて売上時点の損益に相違が生じ、影響を受ける可能性があります。また、為替レートにより海外競合企業との相対的競争力が変動し、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 為替レートの変動対策として、社内規程に基づき米ドル、ユーロ及びその他主要通貨の変動の影響を最小限に抑えるため、金融機関等と為替予約等のヘッジ取引を行っております。

6. 安全衛生

 当社グループは製作所及び活動拠点において労働災害の防止、社員の健康管理に万全の対策を講じていますが、万一不測の事故・災害等が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは製造拠点である製作所を中心に安全対策設備の導入、安全な作業を確保できる基準の見直し、従業員の健康や精神衛生面でのトータルケアのほか、教育の徹底による安全衛生活動を推進しております。ここで策定された安全衛生活動を支店・営業所・出張所・各サービス拠点にも展開しております。また、年2回の全社安全衛生会議で対応策の協議を実施しております。各種損害保険については付保内容の見直しを毎年実施しております。

7. 環境保全

 当社グループは、環境汚染防止、省エネルギー、省資源等環境負荷低減に取り組むとともに、関連法令等の遵守など環境マネジメントの徹底に取り組んでおりますが、関連する法令に大幅な変更があった場合、あるいは不測の事態等により環境汚染が発生した場合は、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 環境マネジメントシステムの運用による環境関連規制の遵守を実行して、年2回の環境マネジメント委員会で規制等の変更に即した管理と対応への協議を実施しております。

8. 企業買収・他社提携等に係るリスク

 当社グループは、既存事業の競争力強化ならびに新規事業や新規製品の取り込みのため、他社の買収、他社との業務提携や合弁会社設立、他社との共同開発、他社への出資などを行っています。これらの戦略的提携において、相手先との協業が円滑に進まない場合、あるいは期待した成果が十分に得られない場合、当社グループの業績及び財政状況は影響を受ける可能性があります。
 当社グループでは、買収や他社との提携についてM&A・アライアンス協議会、経営戦略会議、取締役会にて、投資効果・リスク・シナジー等を審議をして可否を決定しております。また2020年4月より専門組織を設立し、買収・提携の促進のほか、その後のPMI(M&A実施後の統合プロセス)をフォローしております。

9. 自然災害等による影響

 当社グループは、地震・風水害・火災・感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害による物的・人的被害の発生及び社会インフラの機能低下により事業活動が影響を受ける可能性があります。
 当社グループは、各種災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限に抑えるため、設備点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)を整備して、被災時でも重要な事業を継続し早期に事業復旧できるよう準備を行っております。また、損害保険等の付保内容を毎年見直しております。

10. 規制

 当社グループはグローバルな事業展開にあたり、日本及び海外各国・地域の法令や規制に従って事業活動を行っております。今後、各種制度の改廃やより厳格な規制の導入、法令の運用・解釈が厳しくなる場合は、当社グループの事業活動の再構築や法令遵守のための費用が増加する可能性があります。その結果、当社グループの業績や財政状況に影響が生じる可能性があります。
 当社グループは国内外の法規制の動向、運用・解釈の変更について早期の情報収集に努め迅速な対応を実施しています。

11. 情報セキュリティ

 当社グループは、事業活動を通じて取引先及び自社の営業情報や個人情報等の機密情報を保有しております。外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等により、パソコン・サーバー等から、機密情報が流出し、あるいは消失した場合、またはネットワーク機器の障害により、生産や業務の停止が発生するほか、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは重要な経営資源の一つであるデータを複数のデータセンターでバックアップをとって機密情報の保護に細心の注意を払うとともに情報機器管理、システム管理の強化を実施しております。また、外部からの悪質メールをブロックするシステムの導入によるビジネスメール詐欺の予防、情報漏洩、システム障害に備えた訓練も併せて実施しております。

12. 人材育成・確保

 当社グループの成長のためには、有能な人材の確保と人材の育成が極めて重要なポイントの一つと考えております。特にベテランから若手への技術技能の伝承や、有能な人材の確保が達成できない場合は当社グループの事業活動、業績や財政状況に影響が生じる可能性があります。
 技術技能の伝承は、各製作所にて年間計画に基づき、従業員一人一人に対して実行しております。また有能な人材の確保については新卒だけでなく中途採用の強化のほか、採用強化策として知名度向上、各種待遇向上、働き方改革等の推進を実行しております。