当社グループ製品のソーシャルインパクト
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当社グループの産業機械や素形材の多くは、サプライチェーンの上流で活躍しています。そのため、当社グループの製品が社会へ提供している価値を把握するためには、下流も含めた整理・検討が必要であると考えました。
そこで、株式会社日本総合研究所のご指導を仰ぐことで公正性・客観性を担保しつつサプライチェーンの下流を含めて社会や環境にどのような影響をもたらしているかを把握し、ソーシャルインパクトという形で整理しました。
後述するロジックモデルの作成、インパクトの可視化では、主に下記の組織、資料を参照しました。
- Impact Frontiers, "Impact Management Norms"
- Impact Economy Foundation, "インパクト加重会計フレームワーク(Impact-weighted accounts framework:IWAF)"
- 内閣府, "社会的インパクト評価に関する調査研究最終報告書"
- 一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ
対象製品
今回のソーシャルインパクト算定の対象製品として、産業機械事業セグメントからはプラスチック原料(ペレット)を製造する造粒機を、素形材・エンジニアリング事業セグメントからは原子力発電所向け素形材を選定しました。
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造粒機 -
原子力発電所向け素形材
造粒機
ロジックモデル
造粒機とは、プラスチック製の製品を作る(成形する)ための原料となる粒状のプラスチックペレットを製造するための装置です。ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)などの製造に用いられます。
造粒機で製造されたプラスチックペレットの下流での用途は多岐に渡ります。ソーシャルインパクトにつながる主要な用途としては、自動車部品、食品保護フィルムのほか、近年では太陽光発電パネルの保護フィルムとしての需要が伸長しています。
ソーシャルインパクト
可視化事例)太陽光発電パネル向けのEVA樹脂原料
※1:株式会社日本総合研究所にご指導いただくことで公正性・客観性を担保した当社推計値
※1:株式会社日本総合研究所にご指導いただくことで
公正性・客観性を担保した当社推計値
太陽光発電パネルを保護するためにEVA樹脂製のプラスチックフィルムが使われています。
当社試算では、世界中で稼働している当社の造粒機で年間約180万tのEVA樹脂が製造されており、これは約9.2億㎡の太陽光発電パネルに相当する量です。再生可能エネルギーである太陽光を利用するため、発電時のCO2排出量は火力発電に比べて大幅に抑制されます※2。
同じ発電量を火力発電で得た場合と比較すると、年間で約40,700千t-CO2の排出量削減に貢献する試算結果となりました。
CO2が大気中に排出されると、その影響は数十年から数百年にわたって続きます。具体的には、気候変動に起因する感染症等の健康被害の増加、農業生産性の低下、インフラへの損害、生態系の変化など、将来にわたるさまざまな影響が想定されますが、それを回避することに貢献します。
※2:産総研, ”太陽光発電の特徴1”, 太陽光発電技術, 2018, https://unit.aist.go.jp/rpd-envene/PV/ja/about_pv/feature/feature_1.html,(参照2024-10-25).
原子力発電所向け素形材
ロジックモデル
当社グループは、原子力発電所で用いられる基幹部材を提供しています。原子力発電は、火力発電に比べてCO2排出量が大幅に抑制され、かつ天候や自然条件に左右されやすい再生可能エネルギー発電に比べて安定したエネルギー供給が可能です。
当社グループの原子力発電所向け素形材の特長の一つは、溶接箇所の削減に貢献する大型・一体形状を実現できることです。
溶接箇所の削減は、定期検査のコストや検査員の負担の低減といったアウトカム創出にも貢献しています。
ソーシャルインパクト
可視化事例)原子力発電所向け素形材
原子力発電の構成(図はPWR(加圧水型炉))
※3:株式会社日本総合研究所にご指導いただくことで公正性・客観性を担保した当社推計値
※3:株式会社日本総合研究所にご指導いただくことで
公正性・客観性を担保した当社推計値
当社の原子力発電所向け素形材が組込まれている原子力発電所の総発電量は、年間で約1,500TWhです。
同じ発電量を火力発電で得た場合と比較すると、年間で約937,000千t-CO2の排出量が削減される試算結果となりました。